先の衆院選が終わり、高市首相の完勝だった。自民党単独で316席を抑え、連立与党の維新を含めれば、354席だと圧倒的多数になった。参院選の惨敗後、去年10月に首相指名で危うく首相になれないこともあり得た高市氏は極めて短期間で自民党を持ち直し、ここまで勢力を回復できたのは実に素晴らしく、称賛に値する。
個人的に高市氏は決して尊敬できる人ではない。党総裁後の論功行賞、石破氏の側近を冷遇するなど、身内に利して反対派を露骨に弾圧するというわかりやすく、かなり前時代的な手腕だった。10月から解散までの2ヶ月の間、高市氏の功績といえば、外国人問題対策のスピード推進だった。今まで存在してきた法律上の穴を埋めてくれるのはいいが、在留資格関係料金の大幅引き上げや、外国人問題と全く無関係だったはずの帰化制度の厳格化など、ルールを守る外国人まで罰を与え、ミスリードと差別を助長する一面がある。
一国民の目線からすると、今回の衆院解散自体は不必要だった。公示前の勢力だと、与党勢力は合計235席だった。綱渡りの政権運営だったが、高市氏がやりたい法案を通せる体制ではあった。野党の声も大きく、高市氏への監督機能もしっかり効いており、左右問わず、理想的な政治だったかと思う。もう少し時間を置いて、実績を作ってくれれば、私を含めて多くの人も納得できたかもしれない。しかし、彼女は「解散を考えている暇はない」と言って一転、周りと相談もせずに解散に踏み切った。日曜討論も欠席し、所々自分勝手というイメージを私が受けた。
高市氏の経済政策は基本的に地に足が着いていない物が多い。少子化が止まらなず、人の死で引き換えた働き方改革を攻撃し、疲弊している現役世代に向かって「働け」と訴える。財源を置き去りにして減税と積極的財政をセットで打ち出す。市場にお金をばら撒いたらもちろん短期間に景気がよくなるが、今後無限にバラ撒けるわけではないし、結局財政が悪化する。リフレ派と近年流行りだしたMMT派からは、財政が悪化しても問題ない論調が挙げられている。もちろん日本政府の財政破綻は私も考えにくいけど、稼ぎより多くのお金を借りて返さない状態はずっと続けられるはずもない。誰かがその穴埋めをしなければならないから、止まらない円安はまさにその現れである。
全世界に分散投資している資産家はとにかく、一般国民、とりわけ生活が苦しんでいる方々は今回自民党に投票しないだろうと思い、高市内閣の退陣を予測したが、大外れだった。国民の選択に驚きを隠せず、理解不可能というのは本音だ。皆さんは5千円のお米で受け入れるまで高市氏を愛しているか。20代の若者に限ってむしろ高市氏を評価したり、好んだりするらしい。私からは高市氏が明るい長期的なビジョンを全く描けていないが、どうも彼らは全く別の景色を見ているみたい。
高市氏の暴走を許した野党陣にも責任がある。唐突に公明と合体した立憲民主党こと「中道改革連合」はネーミングセンスから絶望的、その無能さが腹立たしい。公明出身者28人を引けば、旧立憲出身議員はわずか21人で、立憲民主党は消滅に近い。
長年自民党を応援してきた私は、中道とチームみらいに票を入れ、勝ち馬ではなく、世間に流されずにしっかり高市氏にノーを言えた。私個人として年収も高いし、円建てで低固定金利で複数のローンを組んでいるし、資産の半分以上は海外にあるから、円安はむしろ好都合である。さらに、私たち夫婦2人は英語もできるので、海外移住も可能だ。高市氏がどんなに暴走しても私生活に影響はない。




