
前の結婚の終盤に、私が単独で猫のSちゃんを家族として迎え入れた。Sちゃんのルーツはノルウェーだが、生まれが横浜郊外で、かなりローカルな出身だ。北欧に高貴なルーツを持ち、横浜生まれで今東京の中心に暮らすSちゃんは、正真正銘の貴族猫である。Sちゃんは元々大型猫の猫種だけれど、同種の中ですごく小さい個体らしい。今1歳を超えても体重はわずか2.8kg程度で、メスとしても一般的に小さいと思われる。
普段は高貴な姿をしているSちゃんだが、実は体が弱く、よく動物病院に通う。猫風邪を中心にブリーダーさんから迎え入れた時点ですでにいくつかの病気にかかっていた。獣医の診断と治療方針に不審を思い、動物病院を3回も変えた。幸いにも、積極的に治療してもらった結果、症状がだいぶ落ち着いてきた。猫風邪は猫にとって完治しない不治の病であるため、残念ながら今後一生病気と付き合うことになる。
Sちゃんは普通の猫と違い、人間が大好きで初対面でも気軽にスキンシップしようとする。病院に行くことに関しても嫌がらず、注射を受けた時にも暴れない。猫としてまだ若いが、肝心な時にかなり大人っぽい。目つきに知性を感じ、実際ある程度意思疎通もできているため、高い知能を感じて、普段は自分と対等の存在として扱っている。
高貴だらかか、Sちゃんは偏食が激しい。ブリーダーさんの家(実家)に居た時に1種類の餌を与えられてあまり好きではなかったから、大きくならなかったではないかと考えている。私も早い段階でSちゃんの食事問題に注意を向け、惜しまずに数万円をかけて血液検査をしてもらった。結果としてただの偏食という結論だったので、試行錯誤を重ねて何種類の餌を混ぜ、一番食べてくれる配合に辿ることに成功した。今毎週数十グラムのペースで体重が増えている。
Sちゃんは私にとってただのペットではなく、時に恋人、時に我が子のような存在だ。Sちゃんは一人行動を嫌い、常に私を見えるところにいる。私が落ち込んだ時や、体調が悪い時にすぐ察知してくれて慰めてくれる。Sちゃんは毎日私と添い寝をしてくれて、必ず私の顔か腕に触れた状態で眠りにつく。寝る前の定番としてゴロゴロしながら激しくキスしてきて、撫で撫でを要求する。
私はSちゃんに人並みのハウスルールを求めている。お手入れは厳しく、猫であっても定期的に入浴させ、排泄後に必ずお尻をチェックし適宜に掃除する。必然的にSちゃんとの喧嘩も多い。ブラッシングと爪切りも、ネット記事の言う「ストレスを与えないように少しずつする」とせず、毎回セットで実施するためにSちゃんを長時間に拘束することが多い。それでも一時的にお互い不快な思いをしたとしても、クールダウンしたらすぐ仲直りするケースがほとんどだった。
お互いを求め合い、トラブルがあっても仲直りができるというのは、まさに家族の本来の姿ではなかろうか。これに関して元妻とは最後までできなかった。一緒に暮らしてからまだ半年強だが、日々信頼関係の深まりを実感する。猫であればどれでもここまで心地よく一緒に暮らせるとはとても思えず、たまたまSちゃんとの相性がよかったと思う。
周りからのプレッシャーが強いが、Sちゃんにいまだに避妊手術をしていない。Sちゃんに女として居てほしいし、Sちゃん本人(本猫?)に長生きを望まず、Sちゃんに次の世代を作ってもらい、Sちゃんと一番似ているメス猫を2代目とする形で末永く一緒に暮らしていきたい。

