「長かった、辛かった」
10月から東京勤務が決定した瞬間、私は思わずそのようにつぶやいた。昨年の8月末、大阪転勤を言い渡された以来、私の生活は大きく変わった。一度東京を失って、横浜に移住したり、関西と関東間を頻繁に往復したりする落ち着かない生活を強いられてきた。
家計の重圧、夜行バスによる精神的・肉体的苦痛と家族との離れ離れという三重苦を味わい、私はすぐに諦めようとしなかった。上司との交渉や、マンション購入による家賃回避、前倒しして入籍など、いろんな対策を講じてみたが、継続可能な体制を構築することができなかった。
今回の東京勤務は通常の異動ではなく、私が禁じ手の切り札を切った結果だ。予想していたキャリア、せっかく手に入れた「レール」から自ら降りてしまった。いつか後悔するかもしれない、「あの時にもうちょっと我慢すれば…」と思ったりして。それでも、私は一歩踏み出して本当に過ごしたい人生に近付けたい。30歳の誕生日を控えて、このようなわがままはもう最後かもしれない。
東京生活を完全に取り戻したわけだが、馴染んだ日常がすでに元に戻らないし、一度東京を失った事実もなかなか忘れられないと思う。その痛みを肝に銘じてもっと慎重に生きていきたい。
