空気は青みを帯びており、まるでドラマで早朝を表現する光景だった。私は車から降りて一軒家から出てきた元義弟に軽く挨拶した。部屋の中を覗いてみたら、そこにソファで横になっている元妻がいた。タオルケットをかけて生気がない。まるで人形のようだった。
翌日妻との会話で偶然この夢の光景を思い出し、猛烈な悲しみに襲われてしばらく黙り込んだ。別れた悲しみというより、自分は人の人生を壊したではないかという自責に陥っている。私と付き合わなかったらもっと普通な人生を送れたのでは、少なくともこれほど傷つかずに済んだはずだと思う。
ちょうどその時期にサイレントヒル2関連のコンテンツに多く触れていたし、それによる影響もあったかと思う。不治の病を患った妻のメアリーの看病に耐えられず、メアリーを殺したジェイムスに、精神不安定の妻に寄り添えず、離縁の決定打を打った自分を重ねてしまう。
元妻と別居してから1年以上経つが、その存在が記号のように頭から離れない。ほとんど毎日何らかの形で元妻のことを口にする。元妻が残した物には、迷わずゴミ箱に入れる物もあれば、こっそり倉庫にしまい込んだ物もある。選別の基準に一貫性なく、非常に中途半端な気持ちにいる。思い出の品だったらまだしも、ご本人にとってもゴミに等しい古びた洋服も一定数抱えており、私自身もうまく理由を説明できない。
猫や妻との幸せな時間を差し引いても、今の自分はこの有り様だ。順調に再婚できていなかったら、果たして私は日常を保てていただろうか。誤会されたくないところとして、私は別に元妻と復縁する気持ちは全くない。これに関して離婚の際に私がはっきりに元妻に告げたし、現に再婚もしており、復縁なんて絶対考えられない。しかしながら、私は元妻の安否を心配する。自殺を仄めかされたこともあったし、果たしてまだ生きているかどうかすら分からない。
