最近憎んでいた母国との関係は急速に改善している。長年アイデンティティの不安定に苦しめられたが、日本国籍の取得によって問題の根源が取り除かれたような気がする。出身に対するコンプレックスが消え、感情的に母国と母国の文化を以前より受け入れやすくなった。
そもそも母国を拒否するようになったきっかけは、まず元々中国という国自体は決して良い国とは言えず、さまざまな問題がある。そして自分の生まれ育った家庭にも深刻な機能不全があった。両者が相乗し、アンフェアと高圧的な環境を強いられていた。私の日本移住は好きな国に住みたいという自己実現以外、そういった環境への反発、革命でもあった。
日本国籍の取得はこの革命において自分の完全勝利を意味する。決着がついた今となっては、敵視し続けるメリットもないから、ある意味でごく自然な帰結とも言えるかもしれない。
母国での権益
日本も中国も二重国籍を認めないため、帰化審査の最終段階において中国大使館で国籍の離脱手続きをした。少し遅れて反映されるが、中国国内の戸籍もその後強制的に抹消された。これによって私の中国国内における権益は一旦リセットされた。
両親が存命する限り、親族訪問の長期滞在ビザが降りる。こちらのビザを用いて現地で銀行口座を持てる。中國銀行東京支店と組み合わせて使えば資産の移動が簡単となる。おそらく必要がないが、現地で正社員として採用されれば、中国の永住権の取得も難しくない。
面白いところとして、中国に残された華人の直系親族(=両親)を守る法律があり、財産の安全、国外移動の自由と通信の自由が強調されている。
ルーツの活用
ここでの「ルーツ」とは、中国に限らず、香港や台湾を含めた中華圏全体に該当する。以前の投稿でも触れたが、業務において利益につながる中国と中国語関係の仕事を条件付きで解禁している。政治と経済では日本とのつながりが強い台湾はもちろん、中国のプレゼンスも日に日に無視できなくなっている。ただの翻訳要員ではなく、れっきとしたビジネスとしてこのルーツを活用できれば、あえて拒む理由ない。
これまで感情的な理由から中国語や中華圏に関わる仕事を自ら避けていたが、今ではそれらを戦略的資産として捉え直し、いわば、使えるカードをすべてテーブルに出すつもりだ。
また、皮肉なこととして、中国と台湾はお互いのことを国として見ていないため、中国人として台湾で働くことが難しかったが、この中華圏の軋轢から解放された今、むしろ日本人として台湾で就職することも可能になった。
目的は利益最大化
こういう投稿を書いて保守だった私がご都合主義の中国人に成り下がったかのように思われるかもしれない。過去に抱えていた過激思想は確かにフェードアウトしたが、基本的に日本の国益を考える姿勢に変わりないし、天皇陛下と神道を中心とした国のあり方という保守的な価値観も根強く大事にしている。今回の方向転換はあくまで無意味な意地を排するための一種の合理化に過ぎない。
