留年の圧力もあって、最近辛うじて大学生のあるべき姿に戻っている。3ヶ月間で終わるはずだった就職活動はなんと1年間でも続いていた。厳密にいうと、今もなお完全に終わっていない。私は就職活動の戦場で全力で頑張った。総じていうと、一外国人留学生として決して悪くはない実力を出せた。しかし、その中で失ったものはたくさんある。
就職活動を後にして、学校に戻った私の目の前は廃墟であった。足りない単位、崩壊しつつある人間関係と破綻した研究計画のことだ。単位を確保できる、人間関係がまた作れるとして、論文の作成はもはや為す術もない。とにかく時間が足りないのだ。一年間があってもギリギリに過ぎない話に対して、私にはせいぜい数ヶ月しか残っていない。足りない単位を対応することもあって、物理的にできるようにない。なにせ、指導教員に見捨てられたのは致命的だった。
修士号を取るのに、修士論文がない。これほど恥ずかしいことはない。プライドを考えなくても、将来博士課程に進学しようとしたらバチが当たるだろう。そこで在野研究者を目指すしか方法がない。社会人として就職しながら、暇な時間を利用して論文を執筆することだ。難関資格も目指しているので、厳しいと思うが、工夫次第でやっていけるような気がする。
卒業して、大学で籍を置けなくなったら、一番心配していることは文献の入手だ。教務課に打診したところ、卒業生として通常通りに図書館を利用可能だと言われた。残念なことで、卒業生として使える母校の資源はせいぜい図書館までだ。メールアドレスやデータベースなどのデジタル資源は一向に利用できない。東京大学の同窓会に登録すれば、同窓会のメールアドレスが発行されるけど、「alumni」が付いているから、一目で同窓会のメールアドレスだと分かる。学術コミュニティで同窓会のメールアドレスを使うなんて、どうも違和感を覚える。
また、論文を発表すれば、必然的にその時点の所属を書かなければならない。しかし、手元の2社はいずれも社会科学の学術研究と無縁な民間企業で、会社の名前を書けば正直にきつい。上記のデータベース問題も含め、民間企業で就職しながら、東京大学で在籍できるプログラムがあれば最善だと思うが、現実はそんなに甘くない。
とにかく、卒業しても学術研究を続けたい。むしろ卒業して初めて、落ち着いて論文の執筆ができるようになるだろう、期限が設けられてないから。ある程度の研究を積み上げたら、また教授に連絡して上記の課題について相談に乗ってもらおうと思う。
