近いうちに、私は東京に帰る。これはすでに既成事実になり、私の一方的な願望ではない。なぜなら、私は都心でマンションを買ったからだ。大阪勤務の状態をすぐに変えられないかもしれないが、あるべき日常を取り戻すために、その重要な一歩を踏み出したのであろう。
大阪住みの問題
そもそも、転勤先の大阪はとくに僻地でもなんでもなく、わが国の第2都市である。関東出身者を中心に、やむ得ずに大阪に移住した人から不満な声を聞こえるものの、住み心地良い評判もある。実際この半年の体験として、東京とほとんど同じライフスタイルを維持することができる。
大阪に移住しない理由は、妻も私も、東京から離れたくないからだ。転勤が決まった時点で妻はまだ都内の大学に通う学生で、内定先も都内の会社だった。関東出身の彼女自身も大阪に強い抵抗感を持っているから、一緒に大阪に住むという選択肢はそもそも存在しない。私にとって東京は青春を過ごした場所であり、とくにそこに根付いた。人間関係や心の拠り所は首都圏に集中している。今更大阪の文化や土地に馴染もうとしても無理がある。
横浜住みの問題
転勤後の混乱期に、妻の通学と通勤だけ考慮して横浜のマンションを借りたが、後々様々な課題が露呈してしまった。最寄りの駅は各停しかなく、都内へのアクセスはそこまで便利とは言えない。新横浜より近いが、新幹線に乗るために乗り換えなければならない。このように決してアクセスが悪いわけではないが、どうも中途半端さを感じてしまう。
マンション自体の問題が引っ越しの決め手だった。横浜のマンションは新築ではないが、そこそこの広さがあってかつリフォーム物件のため、月々の家賃は安くはない。そして、そのマンションに都市ガスが通っておらず、プロパンガスという仕様だった。それは毎月のガス代が都市ガスより3倍程度に跳ね上がることを意味している。それに気付いたのは、初めてのガス代を払う時だった。
マンション購入
賃貸ではなく、いっそのことマンションを購入する考えは最初からあった。去年の時点で新卒1年目の給料しか審査対象にならなかったため、住宅ローンを組めなかったが、今年に入ってようやく満額の源泉徴収をもらえてマンション購入が可能になった。
都心の物件に限って賃貸より持ち家のほうがお得に決まっている。建物が老朽化したとしても、土地の所有権が付いている限り、資産価値になる。コロナでテレワークが普及したとはいえ、ごくわずかな業界を除き、大勢に対して完全に会社に行かなくても良いということにはならない。東京の一極集中に変わりがなく、これからもどんどん人が集まってくると私は考える。
一旦マンションを購入したらなかなか引っ越せなくなることを念じて、住んだことあって馴染みのある渋谷区と中央区を絞って物件を探していた。その中で、一番気に入った日本橋エリアに戻りたかったが、物件の数が少な過ぎて例え予算の上限を外して検索してもあまりヒットしなかった。予算内に収まるわずかの物件を内覧してそこそこよさそうに見えても、不動産に詳しい妻はゴーサインを出さなかった。理由はマンションの管理体制にあるという。修繕積立金が低いとか、長期修繕計画がないとかを挙げられた。
結果、新橋方面よりの物件に決めた。表通りに面しておらず、隠れ屋的なマンションで、個性的な外装をしている。日本橋の住所と比べて東京駅から離れているが、頑張って徒歩できる距離だ。大阪から帰省する時に新幹線一本で完結することが可能になる。ハイライトとして今回のマンションに、なんと小さな書斎が付いている。妻の許可を得て趣味部屋として使うことができて楽しみにしている。
