人事の仕事をしていると、ポジションに応募してくる皆さんの履歴書を見ることが日常になります。僅か一ヶ月の間、僕は少なくとも数百人の履歴書を拝読しました。真面目に名前から自己PRまで丸々書いた履歴書は、その人の人生の縮図だと言えるでしょう。ですので、毎回人の履歴書を開いたら必ず新しいものがあって、新鮮感が絶えられません。
その中には、その場で「あっ、この方のことを尊敬する」という気になる履歴書もあれば、頭を横に振りながら「ダメだこいつ」という気持ちになる履歴書もあります。丁度(ちょうど)、二人の方の履歴書がとても印象深かったので、書いておきたいと思います。
一人の方は長野県に住んでいるある年配の方です。彼は技術者で、国や団体から色んな称号や肩書を貰いました。一生の転職回数は僅か3回しかなさそうで、毎回二十年近く働いていました。高齢でもかからず、海外就職の意思を示した。「体はまだ元気だ。働けるから応募する」というような言葉が書いてありました。この方の人生は輝いて尊敬する値するものだと思います。この方を書類選考に推したかったのですが、年齢制限が厳しかった為、できませんでした。
もう一人は日本で留学していた中国人です。職歴がない為、学校と自己PRによく力を入れていました。この人の母校は留学生の間では有名な、某碌(ろく)でもない大学です。その上、彼のPRにはもっと凄いことが書いてありました。「自分の良さ」として「高校2年の時に日本へ行きたくて、自分で情報を探していた。ビザが発行されやすくしたい為、一年掛けて日本語サンキュウを取得した」と言いました。あれ、これは良さと言えるのですか。平均以下ではなかったですか。そして「留学していた時、積極的に代買をしていた」が目に入りました。一瞬私は呆れました。自分のやっていたことがどれだけ日本に迷惑を掛けたか、全く自覚のない人だねと思いました。
実は、企業側の最低限の要望を踏まえて、大切な仕事経験年数や職種などの条件を把握すれば、時には自己PRなどの部分を真面目に見なくてもいいです。でも、それだけではつまらないと思います。一人一人の人生を観察するのは、とても勉強になって面白いです。
